2010年03月31日

<B型肝炎訴訟>36人が追加提訴、原告419人に(毎日新聞)

 集団予防接種で注射器が使い回されたことが原因でB型肝炎ウイルスに感染したとして、全国10地裁で患者らが国に損害賠償を求めた訴訟は24日、新たに36人が追加提訴し、原告は計419人になった。12日には札幌地裁が初の和解勧告を出したが、原告弁護団によると、26日に福岡地裁も和解の意向を示す可能性があるという。06年の最高裁判決で国の敗訴が確定しながら、勝訴した原告5人以外の救済を国側が怠ったことで再び始まったB型肝炎訴訟。400人を超えた原告たちは、早期解決を改めて訴えた。【清水健二、佐々木洋、岸達也、水戸健一】

 「僕の血をきれいにしてほしい。他の感染者の血もきれいにしてほしい」。この日、福岡地裁に提訴した福岡市の冨田圭一さん(36)は、会見で実名を公表して訴えた。札幌地裁の和解勧告後も政府の取り組みが見えてこないことに「和解勧告だけでは安心できない」と焦りを募らせる。

 集団予防接種によるB型肝炎感染に国の賠償責任があることは、北海道在住の5人が起こした訴訟の最高裁判決(06年6月)で既に確定している。にもかかわらず、08年3月から新たに起こされた裁判で国が争い続ける大きな理由が、被害規模の大きさだ。

■被害規模

 B型肝炎の国内推計感染者は110万〜140万人。集団予防接種が原因とされる割合は、医学生が使う内科の教科書で「約2割」と記載されており、20万人を超える可能性がある。その場合、最高裁判決と同水準(1人550万円)の賠償をすれば、補償総額は1兆円超。08年に和解した薬害C型肝炎訴訟では、国内推計感染者190万〜230万人に対し、薬害(ウイルスに汚染された血液製剤の投与)の推計被害者は1万人以上、被害を証明でき給付金を受け取ったのは約1400人にとどまり、今回とは規模が違う。

 政府は16日、関係閣僚会合を開き、鳩山由紀夫首相が仙谷由人国家戦略担当相に総合調整を指示するなど対応を始めた。だが、野党時代の歯切れの良さはなく、24日の衆院厚生労働委員会では「鋭意協議している」と繰り返す山井和則厚労政務官に、自民党の大村秀章・前副厚労相が「なぜ『和解』の言葉が出てこないのか」と迫った。

■救済範囲

 これまでの裁判で国は救済範囲を絞ろうと(1)母子手帳などに集団予防接種の記録が残る(2)母親が存命で血液検査で母子感染を否定できる−−ケース以外は因果関係の証明が不十分と主張。弁護団によると(1)を満たすのは原告の約4割、(2)は約7割にとどまるという。

 だが、原告側から見れば、因果関係の証明を難しくしたのは、国が長年対策を放置し時間の経過を招いたことが原因。「集団予防接種は誰もが受けており記録は不必要。母親が死亡していても兄弟姉妹の血液検査で母子感染は否定できる」と反論する。

 和解の諾否を回答する札幌地裁の次回期日は5月14日。福岡地裁などで和解の動きが広まれば、早期解決への圧力はいっそう強まる。最高裁判決がある以上、和解を拒否して判決に至れば国側敗訴は免れず、政府・与党は被害者救済と財源確保の間で厳しい選択を迫られている。

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2010年03月27日

<新千歳空港>国際線ターミナルが26日開業(毎日新聞)

 北海道の空の玄関口・新千歳空港の新しい国際線ターミナルが26日、開業する。海外からの旅客増加に対応して、国内線ターミナルと分離。機内預け荷物の事前検査が不要となる「インライン検査方式」の導入や、入管や税関の審査台も増設されるなど混雑緩和が図られる。ただ、世界的な景気悪化の影響で旅客数減少に直面しており、旅客増に向けた課題も少なくない。【久野華代】

 新千歳の国際線利用客は、国内線と一体の既存ターミナルが開業した92年4月には約26万人だったが、台湾や香港での「北海道観光ブーム」を追い風に、07年には最多の約83万人まで膨れ上がった。

 出入国が集中する時間帯には1時間当たりの処理能力(200人)を大きく上回る5、600人が集中。チェックインカウンター前は荷物を満載したカートと人がひしめき合い、さらに1カ所しかない手荷物検査場の前にも長い列ができ問題になっていた。

 このため、国土交通省は新国際線ターミナルの建設を決定。08年5月、既存ターミナル西側の航空自衛隊千歳基地の隣接地に着工した。総工費は約206億円。二つのターミナルは、動く歩道を備えた約240メートルの連絡施設で結ばれる。

 建設に伴い、1月には空自千歳基地の機密保持を理由に制限されていた中国とロシア機の乗り入れ枠が広げられた。従来は認められなかった火曜にも離発着が可能になり、上海線が週3便から4便へ、7月からは北京線も2便から3便へ増える。また、ハバロフスク線の定期便化も予定されている。

 東アジアを中心に九つの空港と結ばれている新千歳。国際線利用者数は08、09年と続けて落ち込んでおり、乗り入れ制限や個人ビザ発給要件の緩和で、中国人客の増加が期待されている。

 北海道観光振興機構の佐藤誠之副会長は「制限緩和は前進だが、限られたスケジュールしか組めないことに変わりはない」と制限撤廃を要求。空港ビルを運営する北海道空港の岡眞則社長は「道内からもどんどん海外へ出かけていくというムードを盛り上げたい」と話している。

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